子供たちの学ぶ校舎の多くが村の住民達の手によって竹や木材、植物の葉で作られており、植物の腐敗や年々進んでいく老朽化が深刻であり、カンボジアの子ども達は危険な状況下での勉学を余儀なくされています。
この問題に対して、カンボジアの教育省は2007年〜2010年までに、小学校において新たに15,000教室が必要であると報告しています。
また、カンボジアでは校舎不足と共に教員不足も問題であり午前と午後で生徒を入れ替える二部制を取って対応するなど教育の環境は非常に劣悪であると言えます。
弊社が建設の支援をした「ソバ・モン」小学校は、世界遺産として有名なアンコール・ワットがあるシェムリアップ州にあります。
世界的観光地であるアンコールワットの周辺は観光客向けのホテルやレストランなど多くあり大変賑わっています。
目的地である小学校までは賑やかな州都から、途中舗装されてない悪路を35km車で走行し約2時間の道のりです。
写真の道路はもともと牛車用に作られており、雨季には洪水状態で通行が困難な為1月〜4月頃までの乾期の時期のみ通行が可能です。
※雨期に道路が冠水した様子
寄贈式典にはシェリムアップ州の代表をはじめ行政関係者など多くの方の参列を頂き、弊社は感謝状と共にメダルの授与を受け、州知事と弊社代表による譲渡契約書の調印も取り行われました。
子どもたちは、校舎を大切に使うこと、この学校で一生懸命勉強に励むことを誓ってくれました。
式典終了後、教室で生徒全員に「将来の夢」について答えてもらいました。生徒たちの答えは「教師」「看護婦」「医者」のいずれしかありませんでした。
子供たちの憧れの職業なのかもしれませんが、子供たちの
多くは今まで教育を受けてきておらず、外部の情報が入ってくることがあまり無い為に、他の職業を知らないということもまた現実のようです。
教育を受けることで、世の中にある多くの職業を知り彼らの夢も広がっていく・・・、
それは大変すばらしいことであり、私達の事業を通じて間接的にこのようなお手伝いが出来ることをとても嬉しく思えた瞬間でありました。
オム・ロウンさん
(男性・12歳 2010年7月現在)
僕は新年度に3年生に進級します。
僕は綺麗で快適な机や椅子のあるコンクリート製の新校舎で勉強できることをとても嬉しく思います。
僕はこの学校の為に3部屋の校舎と4部屋のトイレ、ポンプ式井戸をご支援頂いた株式会社トーマンコーポレーションの皆さんにとても感謝しています。
SVAの現地スタッフの方が実地して下さったトイレ研修会ではトイレの使い方となぜトイレが必要なのかについて知ることが出来て僕は嬉しいです。
最後に、僕は支援してくださった皆様に感謝し、
皆様が健康で長生きしてくださることをお祈りしています。
ソバ・モン小学校の生徒たち
新設したポンプ式井戸
企業としての社会的責任を果たした後、「幸せに生きるための最小限の条件にも恵まれていない人たちに、私たちの日々の企業活動の結果を、出来るなら少しでも無条件で分かち合いたい」という想いで、カンボジアの小学校の建設寄付(2010年)、ミャンマーの幼児向け保険センターの建設寄付(2012年)を行ってきました。そして2014年はミャンマーに事務所を持つ日本のNPO法人を通じ、ミャンマーの孤児(女子)の尼寺小中学校の建設寄付を行い、このたび新校舎を完成することが出来ました。
ミャンマー首都ヤンゴンから北西約300kmに位置するピー県ピー郡という人口20万人の町に、ミャティンギ寺院学校は2011年に設立されました。
Myanmar Information ManagementUnit
http://www.themimu.info/より抜粋
現在小学1年から高校に通う11年生(日本の高校2年生)まで106名が、下記の様な学校で生活し勉強しています。
併設する孤児院はお寺の中にあり、他のミャンマーの僧院・尼寺と同じように、生きていく為に必要な食糧や衣類はすべて托鉢と寄付のみで賄われています。
子供たちは朝4時30分に起床、仏経で決められた日托鉢に出た後、9時から11時、昼食をはさんで12時から15時まで勉強をしています。
中学卒業後は尼僧となる子、または社会に出る子もいます。
子供たちは、孤児や家庭が貧しくて親が育てることができないために親から預けられた子、捨てられた子、北部の部族戦争地帯から避難してきた子など様々な背景を抱えています。
2014年9月に建設が始まった校舎は、2015年1月に完成しました。
幅7.5m×
長さ20.4mの2階建てのコンクリートの建物には、教室(9部屋)と図書館があります。
将来的には、300人余の生徒を収容することが出来ると思います。
校舎の贈呈式のあと生徒一人一人に、ノート2冊と鉛筆3本と定規をプレゼントしてみんなで記念撮影しました。
Daw Zaya Wati 校長
最後に別れる時、校長先生が「この子供たちが成長し社会に出て、そして社会のためになることがあなたたちへのご恩返しになります」ととても感動する言葉を感謝のまなざしで伝えてくれました。
その時、この学校はきっと立派な人を育てる学校になるという確信と、そのような言葉で感謝の意を伝える校長先生の気持ちに、瞼が熱くなりました。
充実した気持ちで、6時間のこの道を帰りました。